machaの外遊び

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2012年12月22日土曜日

フットコンエレキ オーバーホールの手順 バラシ編

実際にやってみて、一口に『バラす』と言っても手順がとても大事なことをとても感じたので、少しその事について書いてみたいと思います。

① ヘッドカバーを外す



モーターハウジング内のメンテやシール交換だけだとしても、まずはヘッドカバーを外して配線コードにゆとりを持たせてあげることがとても重要と思いました。
シャフトとモーターハウジングの接合部の部分はコードがほぼ90°に曲がっており、配線に余裕がないため、(余裕があったらアーマーチァーに干渉してしまう) コムキャップASSYをいじる際に多少の余裕が欲しいため、あらかじめコードを送り込みやすくしておきます。

私は配線コードを全て交換するため、ヘッドカバー内の配線を切断しました。

配線コードをカットした所 モーター側をカットした。


② モーターハウジングの長いボルト(外側の2本)を外す

外側2本のビスを外した所

注意!
- 内側のボルトは内側でMOSFET(アンプ)が固定されているためこの時点では外さない。


③ カーボンブラシがシャフトのワッシャーに干渉しないようにする。


少し写真がブレていて解りにくいかもしれませんが、 ②でボルトを外した後少しコムキャップを持ち上げるとカチンという音がして、カーボンブラシがコミューターの部分から外れてモーターのシャフトの部分に両側から押し付けられた状態になります。
写真の上側方向には2枚のワッシャーがシャフトにはまっており、カーボンブラシがコミューターとワッシャー2枚の間に挟まれた状態になり、コムキャップがこの状態から動かなくなります。
ここで、無理にコムキャップを持ち上げたりするとブラシを破損する可能性が非常に高いので注意です。

この写真のような隙間から、細めのマイナスドライバーの先等を使って、バネで押し付けられているカーボンブラシをブラシホルダー側に丁寧に押し込みながら、ワッシャーを少し写真下側にズラしてカーボンブラシの先をワッシャーの上に乗っけてあげます。(マイナスドライバーと書きましたが、出来ればプラスっチクッ製等のものを使ったほうが良いと思います。)
両方のカーボンブラシをワッシャーの上に乗っけたら、アーマーチャーを後ろから少し引っ張るとワッシャーがハウジングの後方にズレて、カーボンブラシが前方(写真上側)にズレてアーマーチャーを抜ける状態になりますので、ハウジング後方から一気にアーマーチャーを抜き取ります。

カーボンブラシは鉛筆の芯のようなもので出来ているため、硬い金属などでこすったりすると簡単にキズがついてしまうので注意が必要です。

ここで注意!

カーボンブラシをワッシャー前方にクリアしようとしている際に、アーマーチャーを手から放してしまうと物凄い力でアーマーチャーがホームポジションに戻ろうとするので、カーボンブラシやブラシカードを傷つけてしまうので、注意が必要です。
何も問題が無ければ、ここでアーマーチャーを簡単に抜き取れますが、モーターシャフトが変形していたり、プロップ固定用のピン穴が湾曲していたりすると、モーターシャフトがメタルベアリングに引っ掛かって抜けません。。。。。
私の場合は、プロップ固定用のピンの穴がコンマ何ミリ程度ですが僅かに変形していたため簡単には抜き取れなかった為、棒ヤスリ(平べったいタイプ)の細目を使いピット付近を整えたら抜き取れました。

ここで、アーマーチャーを簡単に抜き取れない場合は、カーボンブラシを元の状態に丁寧に戻してから、モーターシャフトの調整を行った後に抜き取るようにしないとカーボンブラシやブラシカードを壊してしまう可能性が高いので、慎重に行います。

④ コムキャップを外す


コムキャップを外すと言っても、アーマーチャーを外せば自動的にコムキャップが外れます。

⑤ ブラシカードとMOSFET(アンプ)を外す


 コムキャップ全面の内側2本のボルトでMOSFET(アンプ)が固定されているので、ボルトを外した後、ブラシカードを固定しているボルトも外すと簡単に綺麗に外せます。

ヘッドカバー内の配線をカットしている場合は、ここでシャフトから配線コードを抜き取れます。


⑥ ヘッドカバーからペダルへの配線とラックギアを外す



配線または、コネクターを外し、ラックギアボックスを固定している6本のネジを外すとグロメット(ゴムのジャバラ)ごと簡単に外せます。


⑦ 基盤を外す


基盤の中心付近をネジ1本で固定してあるので、それを外すと簡単に外れます。


⑧ インナーシャフトに固定されているコーンベアリング(アウターチューブを押し上げているやつ)のピニオンナットを緩める
※ピニオンナットを緩めるにはインチタイプの六角レンチが必要です。(確か1/8"か5/32"のどっちかだったと思う。)

これを緩めると、アウターチューブとヘッドカバーボトムを下にズラせます。

 
⑨ ピニオンギアを外す





シャフトのトップに取り付けられているピニオンギアを外します。
ギアの脇にピニオンナットでズレないように固定されているので、インチタイプの六角レンチでピニオンナットを緩めて外します。
その後、モーターハウジングの部分を結束バンドなどで何かしっかりした台にしっかりと固定し、パイプレンチを使ってピニオンギアを外します。
ピニオンギアのギア部分の舌側のツルっとした部分のグリスをパーツクリーナー等で綺麗に取り除いた後でないとパイプレンチが上手くカミません。
いづれにしても、かなりしっかりとはまっているので、結構大変です。

ピニオンギアが外れるとベアリング類とアウターチューブ&ヘッドカバーボトムが外せるのでシャフトから抜き取っておきます。


⑩ アウターチューブからヘッドカバーボトムを取り外す
※ ヘッドカバーボトムを交換する場合のみ必要。

- リベットで3ヶ所固定されているので、4mmのドリル(ダイソーので充分)を使ってリベットの頭を飛ばします。
※ パイプ外周に余計な突起を作ってしまわないようにしないと、ボトムカバーを外す時に苦労します。


- 4mm程度の細い金属の棒などを使って、パイプ内側に引っかかっているリベットを取り除きます。

- 座布団等の上でカバー部分を足で抑えて、パイプレンチでパイプを回しながらパイプを抜き取ります。


⑪ ワイヤー先端のラック(ギヤ)を外す
※ ペダルとヘッドカバー間の配線の交換をしない場合は、外す必要はありません。







ペンチ二本を使って、簡単に外せます。
※外す位置を間違えないように注意です。

あとで、黒い保護チューブに配線を通す際にこちら側の方から挿入した方が、簡単に配線コードを通すことが出来ます。


⑫ ペダルをバラします

ペダルのバラシに関しては、簡単なので多分迷う方はいないと思いますので、省略します。
但し、一箇所のみ、

ここ
ダイヤルノブを固定するCリング(Ω形したリング)が若干くせ者です。
これ、外してしまうと専用工具がないとはめ込めません。。。。。。。

スナップリングプライヤー







私は外してしまったので、これを買いました。
外すのは、マイナスドライバーがあれば簡単に外せますが、取り付けるにはこのようなツールが必要になってしまうので、クリーニングのみであれば外さずにやった方がオススメです。



⑬ オイルシールを外す

コムキャップのオイルシールを外しますが、ギューギューにハマっていて、一筋縄には行きません。。。。
上側のオイルシールは外せるかもしれませんが、奥のオイルシールは相当大変です。
多くのブログに『マイナスドライバーをテコにして外す』と書かれているため、私もそれにならいやってみましたが、正直なところこれは止めた方が良いと思います。
オイルシールがハマっているフレームの穴の側面にキズを付けてしまうと浸水の大きな原因になるはずです。かなり慎重にやりましたが、手前の方にキズを付けてしまいました。
幸い、塗装部分のみのダメージだったので、良かったですが、かなりヒヤッとしました。

アンプやブラシカードを外した後、オイルシールの部分にお湯を掛けながらやると意外と簡単に外せましたが。。。。。 まぁ、ドライバーは止めた方が良いと思います。高くつく可能性大です。

全作業が終わってから知ったのですが、パイロットベアリングプーラーなるツールがあり、このオイルシールを外すのにも使えると思います。次はこれを使ってみるつもりでいます。

これ



安いタイプの物もあるのですが、引き上げる先端の形状と経が合わないような気がします。

これのこと



オイルシールの内側の柔らかい部分を引き抜いてしまえば12mm経の筒が通るため、もしかしたら使えるかもしれないのですが、引っ掛けるような形状のため使えなさそうな気がしてなりません。。。。
誰か使ったことのある方がいたら、是非教えてください。


⑭ メタルシールを外す

モーターシャフトの軸にピッタリサイズのメタルシールを外すのですが、シール外の金属にダメージを与えると、浸水するはずなので、慎重に外す必要があります。(一週間悩みました。。。)
『交換する必要あるのかなぁ???』と結構悩みましたが、リペアキットの消耗品シール類の中に含まれていることから考えると、やはり消耗品なのでしょう、、、、、
交換することにしました。

バックにはオイルシールを入れて、良いツールがないかいつも気にしていたところ、ホームセンターで、12mm経 長さ10cmの真鍮の丸棒を発見した。(300円位)
『使えそう!』ってことで早速購入してみた。

左上の丸棒のこと


メタルシールの外経はおよそ12.5mm、コムキャップ裏側からだとメタルシールに上手く密着させられるので、裏側から真鍮の丸棒を真直に当ててハンマーで少しずつ叩くと、わずかづつだが中にメタルシールが入っていったので慎重に進め、 ある程度中にメタルシールが奥まって真鍮の丸棒が動かない位置まで行ったところで多少力を強めてハンマーで叩くと簡単に外すことができた。
しかも、周りの金属部分はノーダメージ!
これはオススメだと思います!

 これで、バラシは完了!
次はクリーニング編です。

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